監督は
高橋芳朗。にっかつロマンポルノの世界で長いあいだ助監督を務め上げました。
にっかつロマンポルノでの監督作品は1本もなかったものの陰ながら支えたようです。
現在のようにアダルトビデオの作り方もノウハウも定型も定まっておらず、全てが暗中模索のなか作られていたようです。
いま見返すとアダルトに徹したいのかドラマが作りたいのかどっちつかずで中途半端な印象ですが、そこがまたいい。
アダルトビデオにストーリーなんかいらない派の方がほとんどでしょうが(私もです)とても新鮮に映ると思います。
ロマンポルノで数々の修羅場を経験し、その世界の魅力を知り尽くした助監督ならではの画面設計とレイアウトが展開し
性的に満足できるかは視聴者次第ですが、井上麻衣の執拗な唇のアップと自行為、副調整室の収録スタジオ越しのショット
随所に散りばめた意味ありげのカット、どのシーンも一枚絵として惚れ惚れとする哀愁のフレンチポップスに仕上がっている。
吉田喜重か実相寺昭雄かハタマタ清順美学と見まがう前衛的なアングルが爆発していてアダルトビデオの体裁をなしていない。
でも昭和の時代はこれで思わずジュニアがスタンドしていたし、飢饉状態だったからこれでドゥ・ザ・ハッスルできたのです。
出演は井上麻衣。にっかつロマンポルノ界の百恵ちゃん(聖子)として人気を博したようです。
「ピンクカット太く愛して長く愛して」の森田魔佐光監督と桃井かおりとも不倫関係に陥ったり
今から3年ほど前ににっかつロマンポルノ界の聖子ちゃんとの
念願の対談も果たしました。
相手役は中丸新将。中丸信名義でも割と多くのにっかつロマンポルノに出演していました。