さて85年のミリオンフィルムのピンク映画作品。高原秀和監督(弱冠23歳)の記念すべきデビュー作でした。といっても誰という人が大半なのかもしれない。
ジャケットの謳い文句を鵜呑みにすれば、木築沙絵子の衝撃のデビュー作でもあるらしい。
高原秀和は若手ピンク映画監督のホープだったんでしょう。だからこそ91年のフジテレビ映画「新・同棲時代」に起用されたのだろう。
それと光ゲン爺のディズニーランドのビデオの監督に起用されたりもした。蒼井そらのAVデビュー作も確か彼が監督だった。
あと「(走)改造自動車教習所」もニコニコで見た記憶があるけど面白かったですな。
以前にも書きましたが、「大制服ハーレム2 君矢摩子」はロックンロール・ミュージカルの大傑作AVなので一人でも多くの方に見てほしいです。
プロレスファンの高原監督らしくレスリングのシーンもあります。なぜ斉藤由貴の不倫相手のような変態仮面スタイルかは分かりませんが。
木築沙絵子(婚約済み)、隈本吉成(公務員風メガネ中年妻子持ち)、関根信二(イケメン独り身バーテンダー)のトリオの奇妙で享楽的な同棲関係。ひょんなことで知り合った若者同士が分かり合えたような一時の刹那的な青春を謳歌するんだけど
やがては個々の音楽性の違いで離れ離れになってしまう楽しくもやがてビターな青春物語に仕上がっている。
最初の動物園で記念写真を撮影して最後の別れを告げるシーンからしてその後の展開を予想させて切なく、ラストにも見事に繋がっている。
85年当時の雑多でシティポップ(笑)の活気あふれる街並みも切り取られている。LABI新宿東口館付近、新宿アルタ前、安倍晋三の渋谷区富ヶ谷。
作家の全てはデビュー作に宿るとはよく言われますが、その後の高原秀和のテーマやモチーフが既にデビュー作に表れているなあ。
鈴木清順・渡辺元嗣を思わせる極彩色のメルヘンチックのザ・80’sの画作りもこの当時から全開でデビュー作に全て詰め込んでやろうという熱気にあふれる。
もちろん木築沙絵子のセックスシーン・レズシーン・AV撮影シーンも満載で、海賊チャンネルでお世話になった方は必見でございます。
イケメン関根信二と石田えり風の豊満ボディー熟女のしのざきさとみ(A.K.A 三沢亜也)の汗まみれのオイルヌルヌルのスックセシーンも
ワンシーンのみながら爆エロでございます。これは自慢ですが、昔サインもらったことがありました。チョメチョメはできませんでしたが。
画面はトリミングされていますすすすすすが、当の高原監督自身も当時のフィルムの所在は不明だということで
このビデオのみでしか自身のデビュー作を見ることができず、トリミングされた箇所が見たい!と自身のウェブサイト上で嘆いていました。
木築沙絵子が歌う主題歌「黒く塗りつぶせ」(映画中盤とエンディングで流れる)の作詞作曲を手掛けたのは
「きたはらりえ」(AKB48の北原里英ではなく日活ロマンポルノ女優の北原理絵だと思いますが)
当然EP化もCD化もされていません。私はこれをかなり気に入っています。せっかくだからオレはこの歌詞を採録するぜ!
邪魔だね
指図はいらないよ
私はロボットじゃない
ピエロよ あんたの負けなのさ
私に守るものはない
長いため息を遠くすり抜けて
いつでもどこでも わたし 自由でいたい
oH フラストレーション
oh フラストレーション
街の太陽を
みんな黒く 黒く
塗りつぶせ
悪いね
いちいち睨むなよ
私は見世物じゃない
ピエロよ あんたは負けなのさ
私にかなうものはない
無駄な見栄をいま
すべて投げ捨てて
いつでも どこでも
いつでもどこでも自由でいたい
oH フラストレーション
oh フラストレーション
(2023年 9月 17日 15時 04分 追加)
デビュー作「セクシーアップ 桃色乳首」はよくわからないメーカーでビデオ化されたVHSを持っているが、上下に黒を入れてのビスタサイズではなくて、当時のテレビの4:3に合わせて、左右の画面が欠けている状態。ああ、欠けた両端が見たい。