舞台は普通の学園、誠京学園。主人公、五十嵐准はこの学園に通う2年生。青春まっただ中にある彼は、恋の病にかかっていた。
といっても、彼が恋い焦がれる相手はクラスで人気の女の子や、男子達に人気の新任女教師などではなく、教師歴10年以上、准とは母と子ほどの年齢差のある地味なベテラン女教師――、准が1年生のときの担任、ケイコ先生だった。しかし、彼がいくらケイコ先生に想いを寄せていても、それは成就しない恋。
准は叶わぬ恋心を抱いたまま2年生となり、クラス替えが行われ、担任も変わる。
ケイコ先生との接点が薄くなったと感じられたが、彼は先生が顧問を務めるバドミントン部に入部することにする。ほとんど幽霊部員ばかりのバドミントン部。放課後、ジャージ姿の先生とふたりきりの練習。それはそれで主人公の胸をときめかせていった。
ある日、隣の席になったクラスメイト――クラス委員を務める女の子が話しかけてきたことにより、准とケイコ先生との間に新たな接点が生まれる。
「五十嵐クン、いつも母がお世話になってます」
准は『先生の子供が、この学園に通っている』という噂を聞いたことがあった。
なぜケイコ先生の娘、紗依が今まで隠していたことを自分にだけ教えてくれたのか?その理由は准には分からなかったが、『家でよくお母さんが五十嵐クンの話をするから』という紗依の言葉で、彼はひとり納得する。
「やっぱり、五十嵐クンの家が父子家庭で、うちが母子家庭だからかなぁ。お母さん、よく五十嵐クンの話をするんだよ」
“先生は旦那さんのいない、未亡人”事情を知ってしまったことで、准の恋のスイッチが音を立てて激しく鳴った。
そしてケイコ先生に告白することを決意する――。