パッケージ裏の解説文によれば、森都いずみ名義(森と泉にかこまれてブルー・シャトウ)でも活動していたようで
高橋伴明の監督第2作目「非行記録 少女売春」にも助演女優として出演を果たしている。
脚本に渡辺護、プロデューサーが若松孝二がクレジットされていて
ともにピンク映画界のゴッドファーザー、作家性が異なるはずの2名がいるのも注目に値する。
ジャニーさんを思わせる芸能プロの社長(堺勝朗)も登場しますね。撮影も野外が中心であまり予算をもらえなかったことが伺える。
高橋伴明監督はこれが通算第4作目の作品ですが、まだSMなどの得意分野や本領が発揮できていない雰囲気で
ありふれた行き場のない青春残酷物語、アメリカンニューシネマの焼き直しとモーホー作品に終始していたというのが個人的な感想です。
大陸書房からリリースされたこのビデオでしか現状見ることが出来ない作品なので貴重ではあります
でも本当に見たいのはピンク映画界を席巻し始めて、飛ぶ鳥(プロダクション鷹)を落とす勢いの80年代の作品なんですけど
来年以降のにっかつロマンポルノのDVDリリース(買取ピンクのリリースが増えている)か衛星劇場での放送に期待するしかありません
83年の「ザ・力道山」も当時のキネマ旬報かイメージフォーラムか何かの雑誌で酷評されてたが(音楽が安っぽいとか)見たいですね。
高橋伴明で思い出しました。デビュー作「婦女暴行脱走犯」のフィルムが発掘されたという超大大大ニュース
故・西原儀一の自宅から遺品として発掘されたというニュースの続報をもう10年以上も待ち続けているのですが
確かに映画秘宝か何かの雑誌で読んだんだけど、あれって結局ガセネタの荒野?
北村龍平が自らのデビュー作が散々だったという話をしていたら(「映画監督という生き様」という本に書いてあった)
同席していた高橋伴明が「俺のデビュー作もそうだった。いい加減なプロデューサーにメチャクチャにされた」と述懐したという
だからジェームズ・キャメロンにとっての「殺人魚フライングキラー」みたいなものかもしれませんね。
北村龍平監督作品は別に…とエリカ様のように切り捨てたいが、決して嫌いにはなれません。上戸彩の「あずみ」もなかなかでした。
無駄に長いんだけど、クールだと思うシーン・セリフを闇鍋的に全体の均衡など知るかと言わんばかりに詰め込んでいるのは好感触。
著作「MAN ON FIRE」を是非読んでほしい。今ならアマゾンのマケプレで5円(送料別)で買えるので急げ!
去年の9月に安楽死を遂げた巨匠ジャン=リュック・ゴダールも近作「アワーミュージック」の劇中で
北村龍平の出世作「VERSUS」の映像を引用または飲尿したので認められたのだろう。