☆バブル時代真っ盛りの原宿。大した目的もなく、お上り的にここへやって来る軽そうな女の子たちで、週末は溢れかえっていた。
その原宿で無垢な女の子たちに声を掛け、芸能人になれると騙し、
アダルトビデオに無理矢理出演させるという悪徳スカウトを仕事にしている男が2人いた。
今日も純情そうな女の子たちをターゲットにしていたが、その日捕まえたのは、妙につかみどころのない女の子だった。
簡単に事務所に連れ込んで、あっという間に裸にして、1本素人ドキュメントというのを作るつもりだったが、
気が付いたらその女の子はいなくなっていたのだ。あれ? こんなはずでは…。
1人の男は何故か、今まで会ったことのないようなタイプのその女の子のことが頭から離れなくなってしまう。
そして翌日、他人の自転車をパクろうとしているその子を見付け、事務所に連れ込まずに、
なぜか自分の部屋へ連れてきてしまった。そこからその子と男の奇妙な共同生活が始まる。
アダルトビデオ出演に興味を示すその子だが、この子だけはビデオに出したくないという気持ちが日々大きくなっていく。
なぜだ、今まで女の子に対してこんな気持ちになったことなどなかったのに。
そして撮影当日、ついに彼女を引き連れ、ドタキャン逃亡をやってしまい…。
「女は歩く金」と割り切って、違法ギリギリの生活をしていたスカウトマンと、
その男にスカウトされた不思議な少女との、あのバブルという時代のワンページを切り取った作品。
実際にAVやエログラビアなどで活動していた、沢田ユカの唯一の映画出演作品。
STORY。若い女性を食い物にするスカウトマンが不思議少女に翻弄され本気(マジ)になってしまう。
ヒロインはこれが唯一のにっかつロマンポルノ出演作品となった沢田ユカ。
監督は「パチンカー奈美」「パンツの穴キラキラ星みつけた!」の奇抜な演出で
映画通・シネマニアの心を鷲掴みにした鎮西尚一(ちんぜいなおかず)
思春期を迎えた少女の撮り方にも定評があり、風になびく髪が美しい。
ヒロインが自転車で駆け巡る場面、森の場面、気狂いピエロのワンシーンの影響が見られ
冒頭の粗い粒子のビデオ映像は「ゴーダムの探偵」の影響が見られる。
彼の「拳銃と女とクルマがあれば映画ができる」という理論を忠実に実践した映画だと言える。
再開発で変わり果てた姿になる前の活気溢れる原宿の在りし日の姿も映像に記録されている。
脚本は「ひぃ・ふぅ・みぃ」「真夏の地球」「知世おまえのうんこうまそうだな」で活躍の村上修
社会派ドラマ「エルビス」での麻生太郎役を好演していた山路和弘
伊丹十三作品の常連役者でもあった上田耕一が脇を固める
今に至るまでFANZA/ソクミル等の映像配信サービスでの取り扱いはないため監督と何らかの手段で親しくなって身内向けのテープを譲渡してもらうか
このホームビデオグラムを入手するしか視聴手段はないと思われる。